【7月1日 AFP】トルコの海岸に打ち上げられたシリア人の男児を題材にした映画が制作されていることに対し、男児の遺族が激しく非難している。うつぶせとなった男児の遺体を捉えた悲痛な写真は、欧州の移民危機の象徴として大きな反響を巻き起こした。

 2015年に亡くなったアラン・クルディ(Alan Kurdi)ちゃんのおば、ティマ(Tima Kurdi)さんはカナダ放送協会(CBC)が先月28日に公開した記事の中で、クルディちゃんを扱った新作映画を制作するに当たり、誰も遺族の許可を得なかったと説明。イラクで暮らすクルディちゃんの父親アブドラさん(Abdullah Kurdi)から、映画について初めて知らされたと述べた。

 アブドラさんが泣きながら電話をかけてきて、「すでに映画が作られているなんて、信じられない」、話すことさえできなかった2歳の息子が「(映画の中で)生き返ることは想像できない」と話したという。

 CBCによると、映画「アイラン・ベイビー(Aylan Baby)」はトルコで撮影中で、米アクション俳優のスティーヴン・セガール(Steven Seagal)さんらが出演する。

 同作の脚本家および監督のオメル・サリカヤ(Omer Sarikaya)氏は、ソーシャルメディア上に映画のポスターを掲載。米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)への販売を目指しているという。(c)AFP