【7月1日 AFP】トルコのイスタンブールで先月30日、同性愛者の権利団体と活動家ら数千人が、地元当局に禁止されていた性的少数者によるプライドパレードの強行を試み、警察が催涙ガスを使用する事態となった。

 現地のAFP特派員によると、主催者のイスタンブールLGBT+プライドウィーク(Istanbul LGBT+ Pride Week)は当初、目抜き通りのイスティクラル通り(Istiklal Avenue)とタクシム広場(Taksim Square)を行進する計画だったが、イスタンブール県知事室がパレードを禁止。その後、警察が広場付近の脇道での集会を許可し、数千人が参加していた。

 集会では主催者が公式声明を出し、虹色の旗や傘を掲げた参加者らは「肩を組んでファシズムに抵抗しよう」「私たちは黙らない」などと唱和した。

 その後、警察機動隊が催涙ガスを使用して集会を解散させたという。

 タクシム広場周辺には警察が厳戒態勢を敷き、放水車も複数台を配置。近隣の道路も封鎖されていた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は県知事室のパレード禁止令について、治安や公共の秩序の面での懸念を理由にしているが、実際は「『社会的に好ましくない』とみなした集団の存在を公の場から消し去ろうとのあからさまな試み」だと批判している。

 イスタンブールでは2003年から毎年プライドパレードが行われていたが、2015年から5年連続で禁止されている。禁止令前最後の開催となった2014年のパレードは、イスラム教徒が人口の多くを占める地域でのLGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)イベントとしては最大規模の参加者が集まった。

 トルコでは以前から同性愛が法的に認められているものの、LGBTIの人々は日常的なハラスメント(嫌がらせ)や虐待を受けていると主張している。(c)AFP