【7月1日 AFP】サッカーブラジル代表DFのチアゴ・シウバ(Thiago Silva)は、サッカー史上最も悲惨な経験の一つを味わったスタジアムで行われる宿敵アルゼンチンとのコパ・アメリカ(2019 Copa America)準決勝を前に、チームは物事を前向きに考えることに専念していると明かした。

 2日に行われるアルゼンチン戦の会場になっているミネイロン(Estadio Mineirao)は、2014年のW杯(2014 World Cup)準決勝でブラジルがドイツに大敗したスタジアムだ。

 開催国のブラジルが1-7という歴史的大敗を喫したこの試合は、少なくともマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)でウルグアイに1-2で敗れ、1950年のW杯で初優勝を逃すことになったマラカナンの悲劇(Maracanazo)より悲痛な敗戦だった。

 シウバは「この場所では誰だって記憶は消せないし、何が起きたかを忘れることなんてできない。しかしそれが人生であり、過去の悪いことに縛られていてはいけない。われわれは良いことを考えねばならない」とコメントした。

 ブラジルは2016年にミネイロンで行われたW杯予選でアルゼンチンを3-0で下しており、悪夢をある程度は振り払ったが、忌まわしい会場での主要国際大会の試合はW杯以来となる。

 シウバは「この会場で行われた前回のアルゼンチン戦では良いパフォーマンスを見せられた。何よりも次の試合に向けては、ポジティブな要素に集中しなければならない」と続けた。

 このスタジアムやそれに伴う記憶は、世界最高の選手であるリオネル・メッシ(Lionel Messi)を擁する宿敵と対戦するというミッションに比べれば大したことではないとシウバは言う。

 フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に所属するシウバは、「われわれが迎えるのは、技術と戦術の面で拮抗(きっこう)したアルゼンチンであるということをより意識している」と話した。

 今大会では準々決勝4試合のうち3試合が無得点に終わり、PK戦で決着がついている一方、シウバはアルゼンチンとの準決勝がファンに攻撃することの楽しさを提供するだろうと主張した。

「献身や意志の力、責任感を期待できる。楽しいサッカーで、高い実力を持った攻撃の選手が素晴らしい試合にしてくれる」「ファンは壮大な一戦を目にするだろう」 (c)AFP/Moises AVILA