【6月30日 AFP】西アフリカの15か国が加盟する「西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)」は29日、域内に新たに導入する共通通貨の名称を「ECO」とすると決定した。ナイジェリアの首都アブジャで開かれた首脳会議で、「ECOWAS単一通貨の名称として、ECOが採用された」と発表した。

 1975年に設立されたECOWASの加盟国は、ベナン、ブルキナファソ、カボベルデ、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、トーゴの15か国で、域内の総人口は約3億8500万人。現在は加盟国中、セネガルやコートジボワール、マリなど8か国がユーロと連動する通貨CFAフランを用いており、ナイジェリアなど7か国が交換性のない独自通貨を使用しているが、約30年前に初めて加盟国間の越境貿易や経済発展の促進策として通貨統合の可能性が検討されていた。

 ECOWASの29日の声明は、2020年までに単一通貨ECOの導入を目指すとしており、加盟国首脳らは、条件を満たした国からECOを導入する段階的な通貨統合をとる方針を確認したという。ECOについては変動相場制を採用し、併せて金融政策の枠組みでインフレ目標を重視する。加盟国は適切な政策や構造改革を行い、国内経済の加速的成長を維持することが求められる。

 一方、エコノミストらはECO導入構想に理解を示しながらも、現実離れした計画だと指摘。ECOWAS経済は域内総生産の3分の2をナイジェリア一国が占める不均衡な状況にあることから、単一通貨導入は加盟国の経済リスクになりかねないと警告している。(c)AFP