【6月29日 AFP】リビアの元国軍将校で実力者のハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏は、国民合意政府(GNA)をトルコが支援していると批判した上で、自身が率いる軍事組織「リビア国民軍(LNA)」に対し、国内におけるトルコの船舶と関係者らを攻撃するよう命じた。ハフタル氏の報道官が28日に明らかにした。GNAは国際的に承認されており、ハフタル氏とは敵対している。

 報道官のアフマド・メスマリ(Ahmad al-Mesmari)少将は、「空軍に対して、リビア領海のトルコの船舶を攻撃するよう命令が下された」と述べ、「(リビア国内にある)トルコ政府の戦略的地域、および同政府系の企業と事業は、LNAの正当な攻撃対象と見なされる」と主張した。

 リビア東部と南部の大部分を支配するLNAは、4月初めに首都トリポリをGNAから奪取するために進軍を開始している。

 メスマリ氏は、「リビア国内にいる全てのトルコ人は逮捕されるだろう」として、「(リビアと)トルコ間を運航している航空機の便も全て禁止される」と発表。しかし、ハフタル氏の支配地域以外についての禁止措置の適用については言及を避けた。

 同氏は、GNAがトリポリの南西100キロほどに位置するガリヤン(Gharyan)を掌握する際にトルコが援助したとして非難。ハフタル氏は、4月2日にガリヤンを制圧して作戦本部を置いていたが、今月26日にGNAから支配権を奪われていた。

 ハフタル氏陣営とGNAは、外国人の傭兵を雇って他国政府から軍事的支援を受けているとの非難合戦を続けており、アラブ首長国連邦(UAE)とエジプトから支援を受けるハフタル氏は、GNAの後ろ盾となっているトルコとカタールを非難している。(c)AFP