【6月26日 AFP】米税関・国境警備局(CBP)のジョン・サンダース(John Sanders)長官代行は25日、辞任を表明した。米国では、対メキシコ国境地帯で拘束された移民の子どもの扱いをめぐり、国民から怒りの声が上がっていた。

 サンダース氏は、複数の米メディアが入手した書簡の中で、7月5日付での辞任を表明。同氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による入国管理機関の人事刷新で4月に就任したばかりだった。

 米国ではこのところ、テキサス州クリント(Clint)にある過密状態の移民収容施設での不衛生な環境をめぐる世論の反発が強まっている。同施設は、シャワーや清潔な衣服がない劣悪な状況にあることが発覚。収容されていた子ども250人近くが24日に別施設に移送されたが、あるCBP職員によると、うち100人前後が25日にクリントの施設に戻された。

 サンダース氏は職員に向けて送ったメッセージで辞任理由を説明しておらず、ワシントン・ポスト(Washington Post)とニューヨーク・タイムズ(New York Times)の両紙による取材に応じた当局者らは、サンダース氏の辞任が未成年の移民の扱いをめぐる問題と直接関連しているかは分からないと述べている。トランプ大統領は25日、自身はサンダース氏に対し辞任は求めていないと述べた上で、「あそこで異動が起きることは分かっていた」と述べた。

 映像前半は、クリントにある移民の一時収容施設の外観。米CBSテレビが24日に撮影、提供。後半は、テキサス州マッカレン(McAllen)にある移民収容施設の内部。米国防総省傘下の写真・動画メディア「DVIDS」が17日に撮影、提供。(c)AFP