【6月25日 AFP】インド東部ビハール(Bihar)のムザファルプール(Muzaffarpur)で、熟していないライチの果実を食べたことが原因とみられる急性脳炎症候群(AES)が多発する中、死亡した子どもたちの数が24日、152人となったことが分かった。

 当局は同州の複数の県で子どもたちが死亡したと発表。またインド最高裁判所は、被害拡大を阻止するために講じた措置についての説明を要求。ビハール州政府に対しても、州の医療施設、栄養、公衆衛生の状態について報告するよう命じた。

 ビハール州では、ここ10年の間に1350人超の子どもたちがAESで死亡。2014年の子どもの死者数は355人だった。

 この疾患に罹患(りかん)すると、高熱や嘔吐(おうと)、発作などの症状がみられる。栄養状態が良くない10歳未満の子どもに発症することが多い。

 AESの正確な原因は不明だが、熟していないライチの果実には毒素が含まれており、栄養不良の子どもたちが口にすると血糖値が急激に下がって脳に影響が及ぶのではないかと、専門家らはみている。ムザファルプールではライチが豊富に産出される。

 専門家らは、人々が注意し、健康や栄養状態の管理が適切だったなら、子どもたちの死は防げたはずだと指摘する。(c)AFP