【6月24日 AFP】オーストラリアの公共放送ABCは24日、豪政府が西太平洋地域で存在感を強める中国に対抗するため、米海兵隊の部隊を収容できる港湾施設を豪北部に建設する計画を進めていると報じた。

 ABCが複数の防衛当局者や政府関係者の話として伝えたところによると、建設予定地は北部特別地域(Northern Territory、準州)の州都ダーウィン(Darwin)からおよそ40キロの場所。ダーウィンは2015年に港湾を中国企業に貸与し、論争を引き起こした場所でもある。

 ダーウィンの港にはすでに軍事施設があり、訪豪した米軍の船が寄港している。しかしABCによると、新設される予定の港は巨大な水陸両用艦に対し、さらなる円滑な活動拠点としての役割を提供できるという。

 米国とオーストラリアは同盟関係にあり、緊密な軍事協力の一環として2000人以上の米海兵隊の部隊がダーウィンにローテーション展開している。

 領有権問題がある南シナ海の島々に軍事拠点の建設を進めるなど、近年中国が戦略的に極めて重要な西太平洋地域で影響力を増そうとしており、米豪両国はこれに対抗するため、同域での軍事的存在感を高めている。米豪両政府は先ごろ、オーストラリア北東にあるパプアニューギニアのマヌス島(Manus Island)に共同基地を建設する計画を発表した。

 ABCの報道について在シドニー米国領事館はコメントを拒否し、オーストラリアの防衛産業省からも声明などは出ていない。(c)AFP