【6月23日 AFP】現役引退を発表したJリーグ1部(J1)、サガン鳥栖(Sagan Tosu)の元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)が23日、都内で記者会見を行い、引退の理由として体の状態が自らの求める基準に達していないことを挙げるとともに、今後については指導者の道を目指す可能性も否定しなかった。

 会見でトーレスは「僕は自分に高いものを要求している。そして常に、自分が到達すべきレベルに誠実でありたいし、そのレベルのパフォーマンスを出さなくてはならないと思っている」「しかし自分の体のことを知り、体の声に耳を傾けたとき、特に気持ちの面で(トップレベルのプレーができなくなる)その時が遠くないことを悟り、そうなる前に良いかたちでキャリアを終えたいと思った」と話した。

 現在35歳のトーレスは、スペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)やイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)、チェルシー(Chelsea)で世界有数のストライカーとして活躍。代表でも2008年の欧州選手権(UEFA Euro 2008)でチームを優勝に導く決勝ゴールを挙げたほか、世界一に輝いた2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)でもチームに貢献した。

 その選手が、2018年夏に加入したサガンで現役生活に幕を下ろすことになった。代表時代の盟友、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)を擁するヴィッセル神戸(Vissel Kobe)との8月23日の試合が現役最後の舞台となる。

 今後については、アドバイザーとしてサガンに関わり続けると話しており、クラブのためにスペインの有望な若手を発掘することなども考えられる。

 また、将来的には欧州へ戻って監督やコーチを目指す可能性も否定しなかった。ともにプレーした中で最高の選手に、リバプールで主将を務めたスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)氏を挙げたトーレスは、ライセンスを手に入れた後、指導者としてアトレティコに帰還する可能性についても含みを持たせている。

「まずは家族と過ごし、次のステップを考える時間が必要だ。それがコーチ業や監督業になるかはまだ分からない」「どちらも検討してみるとは思うし、声が聞こえるのを待ちたい」「子供の頃、サッカー選手になりなさいという声が聞こえたんだ」「そうした声がきっとまた届くと思う。それはこちらから探しにいくものではない」 (c)AFP