【6月23日 AFP】アフリカ西部ベナンのボニ・ヤイ(Boni Yayi)前大統領が22日、出国した。同前大統領の政党、「新興ベナンのための力」(FCBE)がラジオ・フランス・アンテルナシオナル(Radio France Internationale)のインタビューで明らかにした。

 ボニ・ヤイ氏は同国北部で事実上の自宅監禁状態に置かれていた。FCBEの広報担当者は、ボニ・ヤイ氏が出国したのは健康状態が急激に悪化したためで、司直の手を逃れるためではないと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

 今年4月28日投票の議会(一院制、定数83)選は、選挙制度の変更により野党の立候補者擁立が事実上不可能になり、パトリス・タロン(Patrice Talon)現大統領を支持する2政党が全議席を獲得した。

 議会選後に抗議行動が発生。デモ隊との衝突で警察が発砲し、これまでに少なくとも2人が死亡している。ボニ・ヤイ氏は、議会選は「選挙の形を取ったクーデター」だったとして公然と非難し、選挙の無効を求めるとともに、立ち上がるよう国民に呼び掛けていた。

 反タロン大統領派の著名人物は、その大半がすでに国外に逃れた。ボニ・ヤイ氏は国内にとどまっている反大統領派のシンボルと見なされていた。

 かつて地域における民主主義の模範とみられていたベナンが独裁主義的な状態に戻るのではないかとの懸念が高まっている。(c)AFP