【6月22日 AFP】米軍機がイランを空爆しようと準備を整えた20日夜、好戦的でありたいと望むと同時に戦争回避を望むというドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の矛盾する衝動を浮き彫りにした。

 トランプ大統領は、イランによる米無人偵察機の撃墜に対する報復としてイラン空爆を命じたが、直前に中止したと突然明らかにした。これは、ホワイトハウス(White House)の過去2年間の外交政策の中心にある矛盾を凝縮したものに他ならない。

 米軍がイランの3か所に攻撃を行う準備を整えた20日夜、首都ワシントンのトランプ氏は突然、タカ派バージョンからハト派バージョンに変わった。

 トランプ氏は21日朝、「われわれは昨夜、3か所(訳注 原文では、sites とすべきところを sights と書き間違えている)に対して撃鉄を起こし、弾丸も込められた状態だった。そのとき私は何人の死者が出るか尋ねた。150人、というのが将官の答えだった。攻撃の10分前に私はそれをやめさせた」とツイッター(Twitter)に投稿した。

「撃鉄を起こし、弾丸も込められた状態」と意気盛んなことを言う一方で、無人機撃墜への報復攻撃による150人の死を回避しようと平和を愛する決断をしたのだ。

 おなじみの文法やつづりの間違いがあふれたコメントは手短だが、世界で最も影響力のある米大統領を悩ませているためらいが完璧に要約されている。