【6月21日 AFP】ロシア極北ノリリスク(Norilsk)の当局は20日、餌を求めて同市内の路上をさまよっていた雌のホッキョクグマが専門家らによって保護されたと発表した。クマは体調回復のため、21日にシベリア(Siberia)地方の都市クラスノヤルスク(Krasnoyarsk)の動物園に移送される予定だという。

【深く知る】ロシアからホッキョクグマがいなくなる 政府の北極圏開発追い打ち

 工業都市であるノリリスクはホッキョクグマの本来の生息地からは数百キロ離れており、当局はクマが北極海の一部であるカラ海(Kara Sea)沿岸から遠路はるばるやって来たものとみている。

 近年、気候変動や地方開発によってホッキョクグマの生息地や餌が減少しているため、ホッキョクグマがごみ箱などを求め、ロシア北部の人間の居住地域に入り込むことが増えている。

 保護されたクマは推定1歳で体重は220キロほどあり、現在は獣医師による診察を受けている。

 ロシアのソーシャルメディアでは、明らかに疲れ切ったホッキョクグマが餌を求めてノリリスク市内を歩き回る姿を捉えた画像が拡散され、話題となっていた。(c)AFP