【6月20日 AFP】英ロンドンの裁判所は19日、3Dプリンターで拳銃を作製したとして起訴されたジンバブエ出身の学生に対し、有罪判決を下した。量刑言い渡しは8月9日の予定。警察は、英国で3Dプリンターによる銃作製に有罪判決が出たのは初とみられるとしている。

 テンダイ・ムスウェレ(Tendai Muswere)被告(26)はロンドンのサザーク刑事法院(Southwark Crown Court)で行われた裁判で、起訴内容を認めた。

 2017年10月、警察がロンドン中心部にあるムスウェレ被告の自宅に麻薬関連の容疑で家宅捜索に入った際、大麻栽培の証拠とともに、3Dプリンターで作製された拳銃1丁分の部品を発見した。この拳銃は実弾の発射が可能で、人を殺害できる威力があったという。

 ムスウェレ被告は銃器所持の免許を取得しておらず、見つかった拳銃については、大学のプロジェクトで制作する映画のため3Dプリンターで作製したが、実弾を発射できるとは知らなかったと主張した。

 そこで警察は、被告のインターネット検索記録を調査し、被告が3Dプリンターで実弾を撃てる銃の作製方法を説明する動画を視聴していたことを確認。さらに、2018年2月に再び家宅捜索を行い、3Dプリンターで作製した拳銃の部品を新たに複数点押収した。

 警察によると、ムスウェレ被告は映画プロジェクトで「ディストピア」的な世界を描くために拳銃を3Dプリンターで作ったと主張したが、なぜ拳銃に殺傷能力を持たせるための部品を作製したかは説明しなかった。被告は、作製した拳銃の銃身に鉄管を取り付け、実弾を撃てるよう改造しようと計画していたという。(c)AFP