【6月19日 AFP】ロシア極北ノリリスク(Norilsk)の当局は18日、同市郊外で空腹状態のホッキョクグマ1頭が目撃されたと発表した。ノリリスクはホッキョクグマの自然の生息地からは数百キロ離れている。

 ロシアのソーシャルメディアでは、見るからに疲れ切ったホッキョクグマが餌を求めて極北の街を歩き回る画像が広く拡散している。

 環境当局の職員によると、クマはノリリスク中心部の北東にある工業地帯で16日の夜に最初に目撃された。この職員はAFPの取材に対し「ホッキョクグマはまだ工場の周りをうろうろしているが、警察などがホッキョクグマと住民の安全を守るため監視を続けている」と語った。19日には、このクマへの対応を決めるために専門家チームが現地に到着する予定。

 ロシア北部では近年、温暖化や地方開発がホッキョクグマの生息地や餌に影響を及ぼしているせいで、ホッキョクグマが人間の居住地域に現れることが増えているが、今回ほど北極圏の氷から離れた場所で目撃されることは珍しい。

 映像は、インスタグラム(Instagram)のアカウント「@putoranatour」提供。(c)AFP