【6月18日 AFP】中国の王毅(Wang Yi)外相は18日、米国とイランとの緊張が高まる中、米国が中東への1000人増派を発表したことを受けて、中東の「パンドラの箱」を開けてはならないと警告した。

 米国は17日、中東への増派を発表した上、先週オマーン湾(Gulf of Oman)でタンカーが攻撃を受けた問題をめぐり、イランの関与を示す証拠だとする新たな写真を公開。イランへの圧力をさらに強めた。

 王外相は、中国を訪問中のシリアのワリード・ムアレム(Walid Muallem)外相と北京で共同記者会見を行った際、「わが国は全当事者に対し、冷静さと抑制を保ち、同地域の緊張激化を招くいかなる行為にも及ばないよう呼び掛ける。パンドラの箱を開けてはならない」と警鐘を鳴らした。

 さらに「特に米国は、極度の圧力をかける慣行を改めるべきだ」と述べた。

 同時に王氏はイランに対しても「慎重な判断を行う」よう求め、主要6か国との間で結んだ核合意を「そう簡単に放棄しない」よう促した。

 イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は先月8日、米国の一方的な合意離脱への報復として、この合意で規定された濃縮ウランと重水貯蔵量の制限を今後順守しないとの意向を明らかにしていた。

 またイランは、米国以外の合意締結国である英中仏独ロから米による制裁回避に向けた協力が得られない限り、合意に基づく取り組みをさらに縮小する可能性も示唆している。(c)AFP