【6月18日 AFP】イランの濃縮ウラン貯蔵量が、米国によって破棄された2015年の核合意で定められた上限を超過するとの見通しが発表されたことを受け、米国は17日、世界各国に対し、イランの「ゆすり」に屈してはならないと警告した。

 イランはこれに先立ち、濃縮ウランの貯蔵量が今月27日、核合意で許可されている上限の300キロを上回ると発表していた。

 米国務省のモーガン・オータガス(Morgan Ortagus)報道官は「われわれは核のゆすりに屈するべきではない」と述べ、米国はイランの発表について「残念ながら驚いてはいない」と表明。「われわれはイラン政権に対し、国際社会との誓約を順守するよう、引き続き求めていく」との意向を示した。

 イランは、英国、中国、フランス、ドイツ、ロシア、米国の6か国と交わした核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」で、制裁解除と引き換えに、数年間にわたって核兵器開発能力を削減し、同国内に検査官らを受け入れると約束していた。

 だがドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は昨年、核合意を破棄。米国はその後、イランに対する大規模な制裁を一方的に再発動した。

 オータガス報道官は、米国が核合意を破棄したにもかかわらずイランに対しては順守を求めるのかとの質問に対し、「(米政権は)イランの核兵器獲得を許容しない。以上」と言明。さらに「よって、核兵器を手に入れるための行動を起こせば、それがいかなるものでも米政府からの最大限の圧力という対抗措置を受けることになる」と説明した。(c)AFP