【6月16日 AFP】インドは、米国からの輸入品29品目に対する関税引き上げを決定した。メディアが15日、報じた。関税の引き上げは昨年の発表以来、複数回にわたって延期されていた。

 インド政府は昨年6月、アーモンドやリンゴといった米国からの輸入品に対する関税引き上げを発表。米国が各国に鉄鋼・アルミニウムに対する高関税を課した際、対象国からインドを除外するのを拒否したことに同国側が反発したものとみられている。

 しかし、関税引き上げは複数回にわたって延期され、世界の2大民主主義国である両国間の貿易交渉において、解決への期待が高まっていた。

 だがドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は今月、インドに対する特恵関税制度の適用終了を決定。これが引き金となり、インドが今回の措置を取ったとみられる。

 インド紙エコノミック・タイムズ(Economic Times)が政府当局者の話として報じたところによると、対米報復関税のこれ以上の延期はなく、16日から適用されるという。

 米国が中国に対抗する上で重要な存在であるインドとの関係強化に取り組み、トランプ氏もインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相との良好な関係に言及しているにもかかわらず、貿易摩擦が生じた形となった。

 トランプ氏とモディ氏は、6月28~29日に大阪市で開かれる20か国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談を行う予定となっており、この厄介な貿易問題も取り上げるとみられる。(c)AFP