【6月13日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は12日、2020年の大統領選で対立候補に関し外国からの情報があれば受け入れるだろうと発言した。

 2016年の大統領選をめぐっては、トランプ氏がロシアの支援を得て勝利したとの疑惑が浮上。これはロシアとの共謀と司法妨害の可能性をめぐるロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官による捜査へと発展し、現在も議会で調査が続いているが、トランプ氏は一貫して否定してきている。

 大統領就任から約2年間、この疑惑はトランプ政権を消耗させてきたはずだが、今回の発言は、選挙に出馬する米国の政治家が外国から支援を受けることを、トランプ氏が全く問題視していない様子を改めてうかがわせるものとなった。

 トランプ氏はABCニュース(ABC News)の取材で、ロシアや中国といった外国から情報提供の打診があったらどうするかと尋ねられ、「あなたも聞きたいのではないかと思う… 聞くことは何ら悪くない」と答えた。

 それは外国による介入に当たるという指摘を受けたトランプ氏は、「それは干渉ではない。相手が情報を持っていれば、私はそれをもらうと思う」と反論。

 さらに「もしそれが悪いことだと思ったなら、恐らく私は連邦捜査局(FBI)に出向くだろう──それが悪いことだと思えばの話だ」と述べた。

 この発言を受けて、次期大統領選に向けた民主党の最有力候補、ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は、トランプ氏は米国の選挙に対する外国の干渉を「歓迎している」と批判。

 ツイッター(Twitter)に「これは政治問題ではない。わが国の安全保障への脅威だ。米国の大統領が、民主主義をむしばもうとする者の支援を求めることがあってはならない」と投稿した。

 また同じく民主党の有力候補で、トランプ氏の弾劾を繰り返し求めているエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員もトランプ氏のこの発言にかみつき、トランプ氏が「もう一度同じことをするだろうと言っている。今こそ弾劾する時だ」と訴えた。(c)AFP/Daniel WOOLLS