【6月13日 AFP】仏自動車大手ルノー(Renault)のジャンドミニク・スナール(Jean-Dominique Senard)会長は12日に開いた年次株主総会で、日産自動車(Nissan Motor)との連合の成功は重要だと述べ、緊張が高まっている同社との関係の「新たな出発」を明言した。先週にはルノーと欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(Fiat Chrysler AutomobilesFCA)との統合が破談になっていた。

 スナール氏は、ルノー・日産連合を「メンバーすべての発展の柱であり、原動力」だと指摘。「この連合はきょう、新たな出発」を迎えると語った。

 ルノーと日産の前会長カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告が昨年11月に逮捕されて以降、ルノーが株主総会を開くのはこれが初めて。ゴーン被告の築いたルノー、日産、三菱自動車(Mitsubishi Motors)の3社連合は業界大手に成長し、昨年の合計販売台数は約1080万台に上った。

 ルノーと日産は同被告の逮捕以降、関係が悪化。日産はルノーの同連合での影響力が大きすぎることや、FCAとの統合計画を伏せていたことを批判している。ルノーとFCAの統合が実現していれば、電気自動車(EV)と自動運転車両の開発のためのリソースを備えた、世界的な自動車ネットワークが誕生するはずだった。EVや自動運転車両は、炭素排出量の削減や急激に都市化が進む世界での移動における課題の対処に必要不可欠とみられている。

 統合の破談について、スナール氏は株主に、仏政府が日産と三菱の役割など統合案の内容をより多くの時間をかけて吟味するよう求めたためと説明。これについて「残念だ」との見解を示した。(c)AFP/Daniel ARONSSOHN