【6月13日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、四大大会(グランドスラム)史上最多記録となるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の通算20勝を塗り替えることについて、こだわりはないという認識を示している。

 9日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2019)の男子シングルス決勝で、ナダルはオーストリアのドミニク・ティエム(Dominic Thiem)を6-3、5-7、6-1、6-1で退け、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で歴代1位となる通算12個目のタイトルを獲得した。これでグランドスラムの通算勝利数を18に伸ばし、フェデラーの記録まであと二つに迫った。

 ナダルは現在33歳でフェデラーより4歳年下という有利な条件に恵まれているものの、ここまでのキャリアは多くのけがにつきまとわれており、グランドスラムの最多勝利数は目指していないと否定している。

「隣人が自分よりも大きな家やテレビを持っているとか、広い庭があるからといって、いつも不満を抱いているわけにはいかない」「私はそういうふうには人生を見ない」「モチベーションであるのは確かだけれど、そのことにこだわってはいない」「そのために朝起きて練習したり、プレーしたりしているわけではない」

 ナダルがこうした慎重な姿勢を見せているのは、十分な根拠に基づいている。自身の計算では、キャリアを通じて悩まされ続けてきた膝や手首のけがによって、「グランドスラムで15回以上」は負けているからだという。

 ローラン・ギャロスで再び大勝利に浸りながら、ナダルは今シーズンの開幕からけがに見舞われた際に「精神的にも肉体的にも落ち込んだ」と感じ、テニスへの情熱に疑問を感じていたと認めた。