【6月10日 AFP】シリアのサッカーユース代表チームのゴールキーパーから反体制派の戦闘員となり、映画祭でグランプリを受賞したドキュメンタリー映画にも出演したアブデルバセット・サルート(Abdel-Basset al-Sarout)さん(27)が8日、シリア北西部イドリブ(Idlib)県で死亡した。政府軍との戦闘で負った傷が原因だった。所属する反体制派武装勢力が明らかにした。

 イドリブ県の端で6日に始まった戦闘では、サルートさんを含む反体制派の戦闘員数十人が死亡した。

 在英NGOシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、この戦闘で両陣営合わせて215人前後が死亡した。

 シリア中部の都市ホムス(Homs)出身のサルートさんはシリアが8年に及ぶ内戦に突入する前、同国のサッカーユース代表チームのゴールキーパーとして活躍していた。2011年にバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権に対する平和的な抗議行動が始まると、サルートさんも参加。プロテストソングの歌い手としてたちまち人気を集めた。

 政権側が抗議行動を残酷なやり方で弾圧したことから、サルートさんは武器を取って戦い始めた。