【6月15日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)に住む曹立熹(Cao Lixi)さん(82)は、40年の間に趣味で1000本以上の卓球ラケットを修理してきた。機械の組立工だった曹さんは、ラケットの修理経験をラケットの製造技術に生かし、中国産ラケットの性能向上に貢献したいと考えている。

 曹さんが組立工としての技術を生かしてラケットの修理を始めたのは1978年。その評判は次第に広がっていった。曹さんの修理ノートを開くと、卓球世界選手権で優勝経験のある朱雨玲(Zhu Yuling)選手や王曼昱(Wang Manyu)選手、卓球女子中国代表チームの肖戦(Xiao Zhan)コーチといった卓球界の大物の名前が次々と現れる。

 曹さんは、ラケットの性能改善を模索する中で四川省西部の農村によくある竹に着目。「竹は弾力や粘りがあり、木材とも接合させやすい。市場でよく目にする人工繊維より優れており、生産や加工も環境に優しい。原材料も豊富でコストが抑えられる」と説明した。

 「最も理想的なラケットは厚みと軽さ、弾力の3要素を兼ね備えたものだが、これらの要素を同時に満たすのはとても難しい」と語る曹さんは、今も二つの発明品(竹の繊維を取り入れたラケットと打球面の板に丸い突起を施したラケット)でその目標を達成すべく努力を続けている。(c)Xinhua News/AFPBB News