【6月9日 AFP】南アフリカ・ストーニーポイント(Stony Point)沖で小さなケープペンギンが冷たい海に潜る時、それはおなかを空かせた海鳥にとっては餌をとる絶好のチャンスだ。海鳥は付近の上空を旋回しながらペンギンが再び海面に顔を出すのを待つ。餌であるイワシの群れがペンギンによって海面近くまで追い込まれ、狙いやすくなるその時を。

 南アフリカ・サマーストランド(Summerstrand)にあるネルソンマンデラ大学(University of Nelson Mandela)の動物学科の研究者らは、巣から餌探しに向かうケープペンギン21羽にミニカメラをくくりつけた。

 映し出された、まさに「ペンギン目線」の圧倒的な映像から、ケープペンギンがイワシをつまみ食いしながら、その群れを光が差す方へ囲むように追いやるという行動を取ることは間違いなさそうだ。ペンギンが太陽光がキラキラと揺らめく海から顔を出した瞬間、キノドハナグロウやハイイロミズナギドリ、それにアジサシなどの海鳥が魚を捕まえようと、海面から数メートルほど潜る。

 主任研究者のアリステア・マキネス(Alistair McInnes)氏はAFPの取材に対し、「私たちの研究で、ペンギンのように水中で暮らす鳥が餌となる魚を海面近くまで追い込むことによって、その他の海鳥が魚を捕獲しやすくなっていることが確認できた」と話した。

 映像はストーニーポイント自然保護区でネルソンマンデラ大学が2018年8月撮影。(c)AFP