【6月9日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)特使を務める米女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんが8日、南米コロンビアでイバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領と会談し、隣国のベネズエラからコロンビアに避難してきた両親の下で無国籍状態にある子どもたちの支援を要請した。

 人道危機状態にあるベネズエラから国外に逃れた人々は約330万人に上り、隣国コロンビアだけでもベネズエラ避難民130万人を受け入れている。

 
 ジョリーさんはコロンビア北部の港湾都市カルタヘナ(Cartagena)でドゥケ氏と会談。子どもがコロンビアで生まれてもコロンビア国籍は自動的に付与されないため、ベネズエラ避難民の下に生まれた子どもたち推計2万人の法的地位が放置されていると説明し、問題の解決をドゥケ氏に促した。

 会談後の記者会見でジョリーさんは「(ドゥケ)大統領と私は、ベネズエラ人の子どもたちが2万人以上も無国籍状態であることのリスクについて話し合いました」と述べ、ドゥケ氏も無国籍児問題の解決は急務だと強調した。

 コロンビアは、独裁的なベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対抗する国際社会の動きに同調している。このためベネズエラは今年2月、コロンビアとの断交を宣言。母国を逃れたベネズエラ人たちはコロンビア国内のベネズエラ大使館や領事館に出生届を出しづらい状況にある。さらに、最低限の基礎支援は受けているとはいえ、多くの親たちが不安定な生活を強いられていることも、子どもたちの法的地位が不透明なまま放置されている大きな要因となっている。

 映像は、UNHCRが撮影、提供。(c)AFP