【6月6日 AFP】(更新、写真追加)フランス北西部ノルマンディー(Normandy)地方で6日、第2次世界大戦(World War II)のノルマンディー上陸作戦開始日「Dデー(D-Day)」から75年を記念する式典が開かれた。他の各国首脳と共に式典に出席したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、米国との関係が揺らぐ同盟諸国に対し「われわれの絆は壊せない」と述べた。

 米軍の上陸地点のひとつとなったオマハ・ビーチ(Omaha Beach)を見下ろすコルビルシュルメール(Colleville-sur-Mer)での式典で、トランプ氏は「われわれの友人とパートナーの皆との大切な同盟は、戦いの最中に築かれ、戦争の試練により試され、平和の恵みの中で証明された。われわれの絆は壊せない」と述べた。

 トランプ氏の演説は、自身の「米国第一」政策や、欧州諸国の首脳に対するしばしば攻撃的な発言に揺さぶられてきた同盟諸国を安心させる意図があったものとみられる。

 トランプ大統領のナショナリズムや孤立主義的な傾向を厳しく批判してきたエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領も、この機会を使い、トランプ氏に対してメッセージを送った。

 マクロン氏は「米国は、他者の自由のために闘う際に最も大きくなる」と表明。またDデーについて、仏英加米4か国の軍が自由の名の下に結束した好例だとたたえた。

 マクロン氏はさらに、国連(UN)や北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)などの多国間組織を例に挙げ、「われわれは自由世界の団結を目指し、まい進し続けなければならない」と述べた。

 今回の式典には、米国と欧州諸国、とりわけマクロン氏とトランプ氏の関係が緊張をはらむ中、連帯を示す政治的象徴の意味合いも含まれた。マクロン氏はトランプ氏に対し、今日のフランスは「人類の歴史に多くをもたらしてきた国家間の友好関係のために尽力していく準備ができている」と語った。(c)AFP