【6月6日 AFP】キューバの港に停泊していた米クルーズ船が5日、米国による対キューバ制裁の強化を受け、予定より早く出港した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前政権の下、米国とキューバは2015年に国交を回復。それを受けて米クルーズ船も再びキューバに寄港するようになった。

 これを歓迎し、恩恵も得ていたキューバ国民は、米ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International)が運航するクルーズ船「エンプレス・オブ・ザ・シーズ(Empress of the Seas)」が同日首都ハバナの港を後にする姿を、物悲しい表情で見送った。

 米政府は前日4日に新たな対キューバ制裁を発表。バハマ船籍の同船が入港したのも同日で、乗客の多くが驚きの声を上げた。2日間寄港するはずが、予定を切り上げてハバナを後にした。

 米国は、キューバがベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を支援しているとみなし、同国へのドル流入を阻止する戦略を取っている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はその一環で、米クルーズ船のキューバ寄港の中止と、同国行きの査証(ビザ)の発給制限を命じた。(c)AFP/Rigoberto DIAZ