【6月6日 AFP】欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は6日、仏自動車大手ルノー(Renault)との経営統合提案を撤回したと発表した。ルノーの筆頭株主であるフランス政府と合意に達することができないと判断したためだとしている。

 FCAは声明で、経営統合が同社の利益になると「今も強く確信している」ものの、「現在フランスにはそのような取り決めを実施する政治的状況が存在していない」と指摘。

 一方ルノー側はこの発表に先立ち、同社株15%を保有する仏政府の要請で開催された取締役会でFCAから提案された経営統合について話し合い、結論に至らなかったと発表していた。また、フランス政府は提案で示された株式をルノーとFCA双方の株主が半分ずつ分け合う方式について、拙速な判断を警戒していたという。

 ルノーに近い関係筋によると、フランスのブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)経済・財務相は今週末に予定されている訪日後となる11日に取締役会を開きたい意向を示している。

 また、5日の取締役会では公共部門最大の労組連合組織であるフランス労働総同盟(CGT)の労働者代表1人と、棄権に回ったルノーの長年のパートナー日産自動車(Nissan Motor)の代表2人以外の取締役が経営統合に賛成したという。

 ただ、日産の代表2人は「もう少し時間があれば賛成に回る」と議事録に記すよう求めたという。(c)AFP