【6月6日 AFP】フランス首都パリで4月15日に発生したノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の火災の影響が懸念される中、地元保健当局は、同大聖堂の周辺に暮らす子どもや妊婦に血液中の鉛濃度を調べるため血液検査を受けるよう勧告している。

 背景には、同大聖堂が立つパリ中心部シテ島(Ile de la Cite)の子ども1人が血液検査を受けたところ、高濃度の鉛が検出されたことがある。大聖堂の火災では、尖塔(せんとう)と屋根に使用されていた数百トンの鉛の一部が高熱で溶けた。

 パリの保健当局は3日、この子どもの鉛濃度が高いことについて、大聖堂の火災以外に要因があるか調査を開始したと明らかにした。この子どもの血液1リットル当たりに含まれる鉛量は、基準値の50マイクログラムを上回っていた。

 当局は「予防策として」シテ島に住む7歳未満の子どもがいる家庭と妊婦に「家庭医と相談して血中鉛濃度を調べる血液検査を受ける」よう呼び掛けている。当局は火災により同大聖堂周辺の大気と地面に鉛が拡散したことを認めている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS