【6月5日 AFP】米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の保護施設や車内、路上で寝起きするホームレスの数は昨年1年間で12%増加し、約5万9000人となった。当局が4日、明らかにした。

米LAで韓国系住民がデモ、ホームレス向け施設の建設計画に反対(2018年6月)

 カリフォルニア州最多の人口を誇るロサンゼルス郡は昨年、路上で生活していた数万人を恒久住宅に入居させたにもかかわらず、絶えず増加するホームレスの数に対応が追いついていない。

 ロサンゼルスのホームレス支援機関「LAHSA」のピーター・リン(Peter Lynn)事務局長は同郡のホームレス危機に関する年次報告書を発表し、「わが郡の保護されていない人々の数は全米最多、ホームレスの数も全米トップクラスだ」と述べた。「どの夜でも、ホームレスとして過ごす人の数が(ロサンゼルス)より多いのは、ニューヨークだけだ」(リン氏)

 ホームレス増加の主な原因は、手頃な価格の住宅の不足と家賃の高騰だという。

 リン氏によると、ホームレスの増加数が最も多い都市はロサンゼルス市で、その数は昨年1年間で16%増加し、3万6000人を突破した。ロサンゼルスは手頃な価格の住宅が全米で最も不足しているため、ホームレス危機の規模と範囲の両面で特有の難題に直面しているという。

 ロサンゼルス市民約70万人が収入の半分以上を家賃として支払っており、最低時給の13.25ドル(約1430円)で働く人々は、週に80時間働かなければ市内のベッドルームが一つあるアパートの家賃さえ支払うことができないという。(c)AFP