【6月5日 AFP】インドのデリー首都圏政府は3日、首都ニューデリーの治安向上の取り組みの一環として、女性約85万人を対象に公共交通機関の利用を無料化する計画を発表した。

 ニューデリーでは2012年、バス内で女子学生が集団レイプされた上に殺害される事件が発生。大規模な抗議デモに発展し、女性の安全をめぐり、同市に対する悪評が広まっていた。

 公共交通機関の無料化は、2、3か月後に女性約85万人を対象に実施される予定。

 デリー首都圏のアルビンド・ケジリワル(Arvind Kejriwal)首相は、この計画が毎年約1億1500万ドル(約124億円)の負担となるものの、治安の向上と交通に起因する汚染の削減につながると説明した。

 同政府はさらに、今年中に防犯カメラ15万台をニューデリー市内各地に設置する方針だという。

 デリーの公共交通機関は老巧化している上、ここ数か月で一部の地下鉄の運賃は2倍に上昇し、多くの人が利用できなくなっていた。

 一部の評論家は、来年1月に予定されている州議会選挙に向けて、小政党の庶民党(AAP)党首でもあるケジリワル氏の選挙目当ての政策だと非難している。映像は3日撮影。(c)AFP