【6月5日 AFP】米フロリダ州パークランド(Parkland)で昨年2月に起きた銃乱射事件で、乱射犯に立ち向かわず「臆病者」との非難を浴びてきた郡保安官代理が4日、子どもに対する義務を怠った罪など11の罪を犯した疑いで逮捕された。

 マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校(Marjory Stoneman Douglas High School)で元生徒が元同級生に向かって半自動小銃AR15タイプの銃で発砲した時、キャンパス内に駐在していた武装警察官はスコット・ピーターソン(Scot Peterson)容疑者(56)だけだった。

 バレンタインデーに発生したこの事件では、生徒14人、成人の職員3人が死亡した。ピーターソン容疑者はキャリア30年のベテラン警察官で、20年以上にわたって「学校駐在警察官」を務めていた。

 防犯カメラの映像には、銃乱射の起きている建物の前に立ち、決して中に入ろうとしないピーターソン容疑者が映っていた。

 フロリダ州法執行局の捜査によると、ピーターソン容疑者は「銃乱射で犠牲者が撃たれている際、銃声の発生源を調べることなく後退し、現場に到着した他の警察官に建物から500フィート(約150メートル)離れたところにいろと指示していた」という。

 ピーターソン容疑者は、子どもたちに対する義務の不履行7件、重過失3件、偽証1件の容疑が持たれている。銃乱射事件当時のピーターソン容疑者の行動を1年3か月にわたって捜査した結果、逮捕に至ったという。

 この事件で当時14歳だった娘のジェイミーさんを亡くしたフレッド・グーテンベルク(Fred Guttenberg)さんはツイッター(Twitter)に、「地獄に落ちろスコット・パターセン(Scott Petersen、原文ママ)としか言いようがない」「お前は17人のうちの何人かを救えたはずだ。私の娘だって救えたかもしれない。にもかかわらず行動せず、あまつさえうそをついた。自業自得だ」と投稿した。

 弁護士によると、ピーターソン容疑者は事件当時の行動は規定に従ったものだと話しており、現在もその主張を維持している。(c)AFP