【6月4日 AFP】米司法省は、2016年米大統領選へのロシアの介入疑惑で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営と中東の有力者たちとの仲介役を担い、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官による捜査の参考人となっていたジョージ・ネーダー(George Nader)容疑者(60)が児童ポルノ所持の疑いで3日に逮捕されたと明らかにした。

 ネーダー容疑者は米ニューヨークのケネディ空港(John F. Kennedy International Airport)で「未成年者が露骨な性的行為に及んでいる画像を持ち運んでいた」疑いで逮捕された。

 同容疑者は1985年以降、児童ポルノをめぐり複数の前科があり、今回の裁判で有罪判決が下されれば最短で15年、最長で40年の実刑が言い渡される可能性がある。

 レバノン系米国人のネーダー容疑者は長年、米国と中東諸国の政府関係者の間を取り持ち、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザイド・ナハヤン(Mohammed bin Zayed al-Nahyan)皇太子の顧問も務めている。

 トランプ氏が米大統領選に勝利した後の2016年12月には、UAE高官らとトランプ氏側近の会合を実現させた。ナハヤン皇太子はこの時、新大統領となるトランプ氏との親密な関係作りを求めたとされる。

 ネーダー容疑者はその数週間後にインド洋のセーシェルで、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の側近顧問で同じくトランプ政権と関係を結ぶことを意図したキリル・ドミトリエフ(Kirill Dmitriev)氏と、トランプ氏と親しいエリック・プリンス(Erik Prince)氏との会合も実現させている。

 ネーダー容疑者は昨年、モラー特別検察官の捜査に数回にわたって参考人として協力していた。捜査報告書にはネーダー容疑者がドミトリエフ氏をナハヤン皇太子に紹介したことや、2人が米国とロシアの関係改善について話し合ったことが記録されている。(c)AFP