【6月4日 AFP】北朝鮮・平壌のメーデースタジアム(May Day Stadium)で3日夜、今年のマスゲーム・芸術公演「人民の国(The Land of the People)」が開幕した。10月まで5か月間の公演予定だ。

 数か月かけてリハーサルを繰り返してきた数万人の演者らは、色鮮やかな衣装を身にまとい、一糸乱れぬ動きで朝鮮半島の歴史から現代の暮らしまでを表現した。

 北朝鮮のマスゲームはプロパガンダ公演でもある。そのため北朝鮮ウオッチャーは、北朝鮮当局が何を優先課題としているのかヒントを得ようと、マスゲームが焦点を当てているのは経済的成果なのかそれとも軍事的進歩なのかといったことを綿密に観察している。

 朝鮮中央通信(KCNA)が4日伝えたところによると、初日の公演は金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が、李雪主(リ・ソルジュ、Ri Sol-Ju)夫人や妹の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)朝鮮労働党第1副部長を伴って観覧した。だが、金委員長は公演の内容に完全に満足したわけではなかったようだ。

 KCNAによると金委員長は公演後、「制作チームを呼びつけ公演の内容や表現方法について、創作精神の誤りと無責任な制作態度を厳しく批判した」という。さらに金氏は、芸術家は「社会主義的文化構築における極めて重要な義務を担って」おり、「文学や芸術にわが党の革命的政策を正しく組み入れることが重要な任務だ」と述べたという。