【6月4日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)占領下のポーランドにあったソビボル(Sobibor)強制収容所の「最後の生存者」として知られるユダヤ人、セミオン・ローゼンフェルド(Semion Rosenfeld)さんが死去した。96歳だった。ユダヤ人の公的国際機関「ユダヤ機関(Jewish Agency)」が3日明らかにした。

 イスラエルのホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)記念館ヤド・バシェム(Yad Vashem)によると、ローゼンフェルドさんはウクライナ生まれの元兵士で、第2次世界大戦(World War II)を生き延びたソビボル収容者50人余りの一人。

 同収容所では1942年5月から翌年夏まで、ポーランド東部の出身者を中心に、オランダ、チェコ、スロバキア出身のユダヤ人約25万人が死亡した。

 報道によると、ローゼンフェルドさん自身は生き延びたものの、ローゼンフェルドさんの家族は全員ナチスに殺害された。

 ソビボルでは1943年10月、ナチスの強制収容所で発生した反乱として最も有名な脱走事件が発生。ローゼンフェルドさんは他の収容者300人近くと共に鉄条網を抜けて逃亡した。

 脱走者のうち170人近くは拘束され、銃殺されたが、ローゼンフェルドさんは1944年春まで森に潜伏した後、ソ連軍に復帰し、兵士としてナチス・ドイツと戦った。(c)AFP