【5月31日 AFP】男子ゴルフのベテラン指導者ハンク・ヘイニー(Hank Haney)氏が30日、全米女子オープン(US Women's Open Championship 2019)に出場する韓国人選手への不適切なコメントで、ラジオ局シリウスXM(SiriusXM)で放送されている米国男子ゴルフツアー(PGA)の番組から降板した。この問題発言に対しては、韓国系米国人でスター選手のミシェル・ウィー(Michelle Wie)から「人種差別的かつ性差別的」との批判の声が上がっている。

 タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)の元コーチとして最も知られるヘイニー氏は、番組の中で女子ゴルフを見下したような発言を連発し、大きな批判を巻き起こした。PGAツアーはシリウスXMと共同でコメント文を発表し、「女子プロゴルフに対するヘイニー氏の発言は無神経なものであり、PGAツアーやシリウスXMの見解を示すものではない」と述べた。

「PGAツアーは、全米女子プロゴルフ協会(LPGA)とこれまで以上に緊密に仕事をしている中で、ワールドクラスのグローバルな選手の実力や業績は言うまでもなく、ゴルフファンの基盤をますます多様化してくことを約束すると同時に誇りにしている」「SiriusXMは誇りをもって、女子と男子ゴルフと偉大なアスリートを取り上げ、支援している」

 コメント文ではまた、「PGAツアーの指示」によってヘイニー氏をシリウスXMの番組から降板させたことに加え、同局が「同氏の扱いに関して見直しを進めていく」ことが明らかにされた。

 一方、ヘイニー氏は騒動を引き起こした自身の問題発言についてツイッター(Twitter)に謝罪コメントを投稿した。

 ヘイニー氏は番組の中で、もう一人の司会者であるスティーブ・ジョンソン(Steve Johnson)氏と米サウスカロライナ州チャールストン(Charleston)で30日に開幕した全米女子オープンの優勝候補について言及し、「私の予想は韓国人だ」と述べた。

「LPGAには6人くらいいて、具体的な名前は挙げられない」「いや、それならイ(Lee)とだけ言っておこう。ファーストネームを言う必要がなければ、そう言っておけば間違いない」

 この発言を最初に批判したのはけがで大会を欠場したウィーで、「韓国系米国人の女子ゴルファーとして、ハンク・ヘイニーのこれらのコメントには失望したし、いろんな意味で怒りを感じた」「人種差別や性差別は笑えない問題よハンク…、恥を知って。こんなことは初めてだけれど、これはアウトと言うしかない」とツイートした。

 スウェーデンの偉大な元女子ゴルファーとして知られるアニカ・ソレンスタム(Annika Sorenstam)氏も、ヘイニー氏の発言を「容認できない」と批判したほか、オーストラリアのカリー・ウェブ(Karrie Webb)はツイッターに、「PGAツアーがLPGAと競技の発展を真剣に支援するならば、この2人の能なしにこれ以上しゃべらせないで!」と投稿した。(c)AFP