【5月31日 AFP】フランス南東部リヨン(Lyon)で先週起きた爆発事件で、爆発物を起爆させたとして逮捕されたアルジェリア人の男が、捜査当局の取り調べに対し、自分はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓ったと語ったことが分かった。司法筋が30日、明らかにした。

 24日に起きた事件では、リヨン中心部にある人通りの多い道路で爆発物が爆発し、13人が負傷。大規模な捜索の末、27日にモハメド・イシェム・M(Mohamed Hichem M.)容疑者(24)が逮捕された。

 関係筋によると、容疑者は当初供述を拒否していたが、29日になって、ねじや比較的少量の過酸化アセトンを詰めた爆発物を仕掛けたことを認めた。起爆性のある過酸化アセトンは、2015年11月13日のパリ同時襲撃事件などでも使用された。フランスでは同事件以降も襲撃事件が相次ぎ、計250人以上が犠牲になっている。ISはうち複数の事件で犯行声明を出しているが、警察は先の発表で、今回の事件では犯行声明は出ていないと述べている。

 事件では容疑者のきょうだい1人と両親も逮捕されたが、パリ検察によれば、いずれも現段階で犯罪行為の疑いはないとされ、30日に釈放された。関係者の一人がAFPに語ったところによると、容疑者宅の捜索で「過酸化アセトンの製造に使われたとみられる成分」が見つかったほか、容疑者のパソコンからはイスラム過激思想や爆弾の製造方法をインターネット検索していたことが明らかになったという。(c)AFP