【5月25日 AFP】カナダでフライト遅延や手荷物紛失に遭った航空機の乗客が、補償金を受け取ることが可能になる規則が導入されることになった。同国のマルク・ガルノー(Marc Garneau)運輸相が24日、明らかにした。

 カナダでは、滑走路で待機中の機内で長時間待たされたり、トランジット中に預けていた楽器が損傷したり、手荷物が紛失したりするなどといったトラブルに対する苦情が増加。これを受け、7月15日から新たな規則が施行される。

 新規制の下で航空会社は、滑走路上の機内で3時間待機したものの離陸できる見込みがない場合、乗客を降ろさなければならない。オーバーブッキングでフライトの予約を取り消された人には最大で2400カナダ・ドル(約20万円)、預けていた手荷物が紛失した人には最大2100カナダ・ドル(約17万円)を補償金として支払う必要がある。

 12月15日以降は追加規則として、フライトの遅延や欠航の場合に最大1000カナダ・ドル(約8万円)を支払い、食べ物や飲み物、宿泊施設の提供に加え、振り替え便を予約することが航空会社に義務付けられる。振り替え便には必要に応じて競合する航空会社の便も使用する。また、追加料金なしで、子どもを親の近くに座らせなければならない。

 旅客機で移動中にギターなどの楽器が損傷したとする音楽家たちの苦情がソーシャルメディアに書き込まれたことを受け、楽器輸送に関する新たな基準の策定も義務付けられた。

 これらの規則は、国内便を含むカナダ発着便に適用される。(c)AFP