【5月23日 AFP】米ニュージャージー州の連邦地検は、ニューヨークにあるトランプタワー(Trump Tower)とイスラエル領事館を爆破するとソーシャルメディア上で脅迫した同州出身の若い男を、22日に逮捕したと発表した。

 捜査当局が、ソーシャルメディアに複数の脅迫メッセージを投稿していた人物を、富裕層の多く暮らすニュージャージー州バスキングリッジ(Basking Ridge)地区在住のジョナサン・シー(Jonathan Xie)容疑者(20)と突き止めた。

 シー容疑者は、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の軍事部門「イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades、カッサム旅団)」の同調者とみられるという。テロ組織への物質的支援を試みた罪2件と偽証罪、米諸州間の通商に対する脅迫文を送信した罪に問われている。

 クレイグ・カルペニート(Craig Carpenito)連邦地検検事正は声明で、「自ら過激思想に染まった国内出身の暴力的な過激派による脅威は、今も根強い」と指摘。「ISISについて知っている米国人は増えたかもしれないが、われわれはあらゆる指定テロ組織に対して、支援しようとする者たちを深刻に受け止めている」と、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の別称を用いて語った。

 検察によると、シー容疑者は昨年12月、ガザ地区に住む人物のバーチャル口座に100ドル(約1万1000円)を送金したとされる。同容疑者はこの人物をカッサム旅団のメンバーだと考えており、送金後にインスタグラム(Instagram)上で「違法なのはまず間違いないが、構うものか」と述べていた。

 また、今年2月には「殺し方を学ぶ」ために米軍に入隊したいと主張。4月にはインスタグラムにトランプタワーの写真を複数投稿して、爆弾を仕掛けたいと書き込み、爆弾の絵文字付きで「トランプタワーを爆破するべき?」と問い掛けて「はい」か「いいえ」で答えさせるアンケートも行っていたという。(c)AFP