【5月23日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタで22日、現職のジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領(57)が再選されたことに対する抗議デモが発生し、6人が死亡した。

 デモの参加者らは機動隊と衝突を繰り広げ、数十人が逮捕された他、ジャカルタの複数の地区ではがれきが散乱し、車両が焼かれる事態となり、米国やオーストラリア大使館は治安面での勧告を発令した。

 ティト・カルナビアン(Tito Karnavian)国家警察長官は、6人が死亡したと発表。一方で群衆に対する実弾の発射を否定し、平静を呼びかけるとともに、報道陣に対して「複数の人々が銃弾による傷を負い、鈍器によって負傷した人もいるが、この点についてなお明らかにしていく必要がある」と述べた。

 当局はまた、うわさやフェイクニュースの拡散を防ぐため、複数のソーシャルメディアへのアクセスを制限する措置を取った。

 4月17日に実施されたインドネシア大統領選では、ジョコ氏が野党候補のプラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)元陸軍戦略予備軍司令官を破り当選。

 だがプラボウォ氏は裁判所に異議を申し立てる意向を示すとともに、広範囲にわたる不正があったとして街頭デモが繰り広げられる可能性を警告していた。

 22日はこれが現実となった格好で、現場に居合わせたAFPの記者によると、抗議デモの参加者たちは市場の露店や車に火を放ち、退散を命じた当局に対して花火や石を投げつけた。

 映像はジャカルタでの抗議デモ。21、22日撮影。(c)AFP