【5月23日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は22日、ボクシング競技を2020年東京五輪でも実施する方針を示した。その一方で、国際ボクシング協会(AIBA)からは同五輪における競技団体としての資格を剥奪する提案をまとめた。今回のIOC理事会の決定は、来月に行われる総会で承認されることがほぼ確実となっている。

 組織運営に深刻な問題を抱えている疑いがあったAIBAをめぐり、長期にわたり調査を実施していたIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、調査結果が「すべてを物語っている」と述べ、AIBAのガバナンスや注意義務が不足していたほか、利益相反行為があったことが詳細に明らかになったと付け加えた。

 IOCは東京五輪からAIBAを追放することでボクサーに新たな道を開き、選手たちが「五輪に出場するという夢をかなえられる」ようにしたいと考えている。またバッハ会長は、AIBAに対しては「当然の責任」を取らせるようにすると話した。

 監査法人のデロイト(Deloitte)主導で実施されたIOCの調査では、AIBAの財務状況やガバナンスをはじめ、ドーピングやレフェリー、ジャッジに関する倫理観が中心的に調べられた。

 IOCは調査の結果、AIBAは問題の解決に向けて「十分な進歩が見られなかった」と断定。一方のAIBAは「IOCの発表を受け入れる」とした上で、今後の動向については明言を避けた。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)のマシュー・リーブ(Matthieu Reeb)事務総長は、五輪憲章の下でAIBAは異議申し立てをすることが可能だとしながらも、「最終決定が下されるまではできない」とした。

 すでにIOCは、国際体操連盟(FIG)の渡辺守成(Morinari Watanabe)会長が率いる特別作業部会を発足し、東京五輪の予選と本選の運営を任せることにしている。現時点で詳細は未定だが、予選は2020年1月から5月にかけて行われる予定だという。(c)AFP/Eric BERNAUDEAU