【5月23日 AFP】米国は22日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)について、解体すべきだとの見方を示した。

 米政府で中東和平を担当するジェイソン・グリーンブラット(Jason Greenblatt)外交交渉特別代表が、国連安全保障理事会(UN Security Council)で「UNRWAの事業モデルは、パレスチナ人の役に立っていない」と指摘。UNRWAは「一時しのぎ」であり、事業をパレスチナ難民の受け入れ国や非政府組織(NGO)に移行する時が来たと述べた。

 UNRWAは1949年に国連総会(UN General Assembly)によって設置された機関で、パレスチナ自治区とヨルダン、レバノン、シリアに暮らすパレスチナ人約500万人に教育と医療サービスを提供している。だが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はかねて、UNRWAがイスラエルを敵視していると批判。難民問題を永続化させているとして、事業停止を要求していた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は昨年、UNRWAには欠陥があると主張し、支援金の拠出を全額停止。イスラエルとパレスチナの新たな和平案の準備を進めてきた。

 米国は来月25、26日にバーレーンで中東和平構想に関する経済会合を開く。グリーンブラット氏は、米国の新和平案について「パレスチナ人の豊かな未来を開く可能性」があると主張しているが、パレスチナ側はこれまで米国案を拒否し、エルサレムをイスラエルの首都と認定したトランプ政権との接触を断っている。(c)AFP