【5月22日 AFP】インドに亡命中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が2014年に面会することで合意したが、インドが拒否したために実現しなかったとする新刊書の抄録が外交論争に発展している問題で、ダライ・ラマの事務所は21日、その内容を否定して事態の沈静化を図った。

 ソニア・シン(Sonia Singh)氏の新刊書「Defining India: Through Their Eyes」によれば、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)印首相率いる政府が中国との良好な関係の維持を気にして、ダライ・ラマとニューデリーを訪問していた習氏の会談の開催を断念させたと記述している。

 しかしダライ・ラマの事務所は声明で、その記述は正しくないと指摘。「チベット側は、習氏がニューデリーを訪問した際、面会を提案したが、中国政府からの確実な返答はなかった」と明らかにし、「従ってインド政府が面会に慎重だったという見解には根拠がない」と述べた。(c)AFP