【5月23日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)の成都文物考古研究院は20日、成都市内でこのほど唐時代の城壁を発見したと発表した。

 発掘現場の責任者、江滔(Jiang Tao)氏によると、発見された古い城壁は突き固めた土とれんがや石を積み上げた部分に分かれ、ゆるい弧を描いて東西方向に延びており、西側の保存状態が比較的良いという。

 今回発見されたのは唐、明、清の3時代に築かれた城壁。最も古いものは唐末期に築かれ、残存部分の長さは170メートル、幅8.9メートルから12メートルだった。城壁の内側は突き固めた土でできており、外側はれんがが積み重ねられていた。残存部分の高さは約1.5メートルで、両側面はれんがでできているが、使われているれんがの規格は均一ではなく、漢・六朝時代の模様入りのれんがと唐代の無地のれんがが混在していた。外壁の片側の前にはれんがをきれいに敷き詰めて造った幅約1メートルの犬走りがある。明時代の城壁は突き固めた土のみでできており、唐代の城壁の両側に重なるように築かれていた。清時代の城壁は唐・宋時代の城壁が崩れて積み重なったところを土台として築かれ、現在は北側の基礎部分だけが残る。建築方法は唐代の城壁と似ている。

 江氏は取材に対し、今回発見された城壁は唐代の名将、高駢(Gao Pian)が指揮して建築したものだと紹介。高駢は名門の出身で、唐の僖宗(きそう)の時代に「黄巣の乱」の鎮圧で活躍。「渤海郡王」に封ぜられ、蜀中(現在の四川省中部)の守備に当たっていた時期に羅城の建築を担当し、防御を固めたと背景を説明した。今回発見された城壁はまさに羅城城壁の北西の角に当たるという。

 江氏は、同城壁は唐・宋時代の都市建設や社会経済状況などの研究に重要な価値を持つと語った。

 今回の発見はまた、考古学者が唐代の羅城の位置を特定する手がかりにもなるという。(c)Xinhua News/AFPBB News