【5月21日 AFP】エチオピアのアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は首都アディスアベバの緑化などを行うプロジェクトの資金を集める夕食会を開催した。参加費は1人500万ブル(約1900万円)で、国内外から200人以上が参加した。政府系メディアが20日報じた。

 政府系のファナ放送会社(FBC)は、タキシードなどを着た参加者らがバラの花で飾られた長いテーブルに着いた豪華な夕食会の写真を公開した。

 集まった資金は、昨年4月の就任以降、改革的な政策で高い評価を得ているアビー首相が打ち出した3か年計画に使われる。56平方キロメートルの対象地域に公園、自転車専用道路、川に沿った歩行者専用道路などを建設し、緑化や都市農場の整備も進める。現在、アディスアベバの人口1人当たりの緑地面積は0.3平方メートルだが、これをアフリカ平均の7平方メートルにすることを目指すという。

 1億人以上が暮らすエチオピアはアフリカではナイジェリアに次いで2番目に人口が多く、アフリカで最も急速に経済成長している国でもある。急速に変貌を遂げつつあるアディスアベバは近代的な建物が次々に現れる一方、いたるところで工事が行われ緑地が失われている。

 FBCはプロジェクトの費用は推計で10億ドル(約1100億円)と伝えている。しかし、世界銀行(World Bank)によればエチオピアは1人当たりの年間所得が783ドル(約8万6300円)で、世界最貧国の一つに数えられている。ソーシャルメディアでは、エチオピアにとって首都の美化プロジェクトが本当に優先課題なのか疑問を呈する声も上がった。(c)AFP