【5月20日 AFP】フランス・リーグ1、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)は19日、今のチーム、あるいはその他のチームで「責任」を求めていると発言したため、去就をめぐる臆測に拍車が掛かった。

 W杯ロシア大会(2018 World Cup)で4ゴールを挙げてフランスの優勝に貢献した20歳のエムバペは、今季PSGで公式戦38得点をマークした。

 エムバペはこの日、リーグ1の年間最優秀選手賞に選出されたが、近いうちにフランスを離れるかもしれないという可能性を否定しなかった。

 エムバペはbeINスポーツ(beIN Sports)に対し、「(今回の受賞は)僕にとって重要であり、今はキャリアのターニングポイントを迎えている。PSG、あるいは他のチームでより大きな責任を負うべきときに差し掛かっている」と話した。

 その数分後、取材エリアでこの件について質問されたエムバペは、自身のコメントを撤回しなかった。

 エムバペは「僕としてはそれについて口にする場面だった。何かを言うのは、それについて考えているから」と述べ、より大きな「責任」を手にしたいという強い気持ちを繰り返し示した。

「もしそれがPSGにあるなら良いけど、他のチームにあるなら新たな挑戦になるだろう」

 2017年にリーグ1を制したASモナコ(AS Monaco)で躍進を果たしてから、エムバペはスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)への移籍が繰り返しうわさされてきたが、結局はローン移籍を経て、1億8000万ポンド(約252億円)の移籍金でPSGに渡った。

 しかし、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督のレアル復帰以降、エムバペのスペイン移籍のうわさは加熱している。

 エムバペは今季、けがでシーズンの大半を棒に振った同僚のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)とともにプレーし、これまでを一段階上回るパフォーマンスを披露した。

 エムバペがFCバルセロナのリオネル・メッシ(Lionel Messi)を上回って欧州ゴールデンシュー賞を受賞するには、スタッド・ランス(Stade de Reims)との今季最終戦で5ゴールが必要だが、それでもリーグ1の年間最優秀選手賞に輝きネイマールの足跡をたどっている。

 エムバペはAFPに対し、「たとえ欧州ゴールデンシュー賞を逃したとしても、史上最高の選手の一人であるメッシに負けるだけだと言い聞かせている」と語った。

「最終節までメッシと競れたと考えれば、誇りにもなった。けれどまだ終わっていない」

 仮にエムバペが退団すれば、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)での初優勝に向け戦力強化を目指しているPSGにとって巨額の移籍金を受け取ることはまんざらでもないが、それでも痛手になるはずだ。(c)AFP