【5月20日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)の元スター選手、ラマー・オドム(Lamar Odom)氏が、現役時代に疑似ペニスを使って薬物検査を切り抜けていたことを、間もなく刊行される回顧録で明かしている。

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 NBAのロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)などで活躍し、現在39歳のオドム氏は、自身の薬物中毒やセックス中毒との闘いについて明かした回顧録「Darkness to Light」の中で、2004年アテネ五輪に向けた米国代表に選ばれた際のことを次のように話している。

「12人のメンバーに選ばれた喜びは、すぐさま不安に変わった。関係者から、正式なチームの一員になる前に薬物検査を受ける必要があると聞かされたからだ」「もちろん、俺がパスできるわけはなかった。あの夏は毎日マリフアナを吸ってた」「パニックに襲われた」

 そこでオドム氏は、インターネットに助けを求めた。「まず『偽ペニス』をグーグル(Google)検索して、薬物検査を切り抜ける方法をいろいろ調べた」後、商品をネット注文。そして薬物を使っていないトレーナーから尿をもらい、現れた検査員が数フィート離れたところにいる前で、偽のサンプルを出しているふりをした。

「検査員は温度計をカップに入れ温度を測り、そして小便が俺のものだと納得してこう言った。『チームUSAへようこそ』」

 このときの米国代表は、銅メダルと残念な結果に終わっている。

 レイカーズでNBAファイナル連覇も経験したオドム氏だが、2015年には米ネバダ州の売春宿で意識を失っているところを発見された。腎不全に陥り、複数回の心臓発作、脳卒中を起こしていたオドム氏は、数日後に意識を回復したものの、それまでの間に生死の境をさまよった。

 オドム氏は回顧録の中で、中毒との闘いは今も続いていることを明かし、「自分は今も中毒だ」「今も闘っている。しかし二度と暗闇には足を踏み入れない」と話している。(c)AFP