【5月19日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)を今季限りで退任するマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督が18日、本拠地アリアンツ・スタジアム(Allianz Stadium)で記者会見に臨み、監督交代はクラブの判断だったことを涙をこらえながら明かした。

 カリアリ(Cagliari Calcio)やACミラン(AC Milan)を率い、2014年にアントニオ・コンテ(Antonio Conte)前監督からユベントスを引き継いだアレグリ監督は、5年間の政権で11個のタイトルを獲得しながら、契約を1年残して退任することが先日発表された。

 そしてこの日の会見で、監督は目の前に座る選手たちに涙を見せないようにしながら「皆でユベントスの将来に目を向け、クラブは私と別の方向へ歩むことを決断した」「だからといって何も変わらない。われわれはともに成長してきて、そして今は最高のかたちでクラブを離れられる適切な時期だ」と話し、「プロ生活では、別れの時は訪れる」とクラブの決断を受け入れる姿勢を示した。

 退任の背景には、クラブのレジェンドであるパベル・ネドベド(Pavel Nedved)氏や、ファビオ・パラティチ(Fabio Paratici)氏といったフロント幹部と、今後の方向性に関する意見が一致しなかったことがあったと報じられている。

 チームはすでに新記録となるセリエAの8連覇を達成している。アレグリ体制では5年連続で、チームは指揮官の下で他にイタリア杯(Coppa Italia)を4回制し、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)でも2回決勝に進出した。

 その一方で、今季はレアル・マドリード(Real Madrid)からクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)を獲得しながら、1996年以来のタイトルが渇望されるチャンピオンズリーグでは2季連続のベスト8敗退。しかもロナウドやパウロ・ディバラ(Paulo Dybala)、W杯ロシア大会(2018 World Cup)優勝メンバーのブレーズ・マテュイディ(Blaise Matuidi)らスター選手を擁しながら、予算規模の劣るアヤックス(Ajax)に屈しての敗退で、こちらも退任への圧力が高まった要因だと言われている。

 アンドレア・アニェッリ(Andrea Agnelli)会長は、最終的な決断を下したのは自分だと明かしている。会見に同席したアニェッリ会長は「私がユベントスで下してきた中で最も難しい決断だった」と話した。(c)AFP