【5月18日 AFP】ミャンマーからバングラデシュに逃れたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)難民25万人以上に、将来ミャンマーに帰国する権利を証明する身分証明書が初めて与えられた。国連(UN)が17日、明らかにした。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のアンドレイ・マヒチッチ(Andrej Mahecic)報道官は、スイス・ジュネーブで報道陣に対し、「現在、バングラデシュ当局とUNHCRが共同で、ロヒンギャ難民の登録と身分証明書の発行を行っている」と述べ、登録は人身売買の阻止にも寄与すると指摘した。

 ミャンマーでは2017年8月、軍がロヒンギャに対して弾圧を加えたことで、約74万人のロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れた。バングラデシュの難民キャンプには、当時すでに30万人のロヒンギャ難民が暮らしていた。

 多くのロヒンギャ難民は、避難先でレイプや虐殺が多発していたと主張している。昨年9月に発表された調査団の報告書は、「ジェノサイド(大量虐殺)」に相当する残虐行為があったと信ずるに足る合理的な根拠が確認されたとしていた。

 UNHCRは、現在バングラデシュ南東部コックスバザール(Cox's Bazar)にいる難民の数を約90万人としている。しかし、国連が発表する人数は、バングラデシュ当局や援助団体などがまとめた人数を下回っていることが多い。(c)AFP