【5月16日 AFP】米ネブラスカ州で先月、男性が農業機械に巻き込まれ、ポケットナイフで片脚を切断して生還する出来事があった。

 農業一筋に生きてきたカート・ケーザー(Kurt Kaser)さん(63)は、一人で農作業中にトラックから降りた際、トウモロコシ用農機の「小さな穴」に誤って巻き込まれてしまった。

 ケーザーさんは米ABC系列の地元テレビ局KETVに対し、「脚を吸い込まれた。抜こうとしたが、吸い込まれる一方だった」「一度は諦めかけた。するとそれ(農機)が私を再び引き込み始めたのが分かった」

 残された選択肢は、ポケットの中にあった小型ナイフを使って脚を切るしかないと悟ったという。ケーザーさんは「だから、のこぎりで切るように、脚を切り始めた」と事もなげに語った。

 身の毛もよだつ救命行為を終えると、ケーザーさんは自宅にはって帰り、電話で助けを呼んだという。地元紙オマハ・ワールドヘラルド(Omaha World-Herald)が15日朝に報じたところによると、最初に駆け付けたのは息子のアダムさんだった。偶然にも、アダムさんは地元の救急隊員だった。

 同紙によると、ケーザーさんは病院で1週間、リハビリ施設で2週間過ごし、10日に帰宅した。再び普通に歩けるようになると楽観しているという。

 ケーザーさんは「急いでいて、よく注意していなかった」と述べ、自分の身に降りかかった出来事が農業に携わる他の人々への教訓になればいいと語っている。

 地元メディアは、車いすに乗ったケーザーさんの写真を掲載。左脚はひざから下が切断され、包帯を巻かれていた。(c)AFP/Ian Geoffrey TIMBERLAKE