【5月19日 Xinhua News】母の日(5月12日)に、「雲養媽(ユンヤンマー)」がネットでホットワードとなった。「雲養媽」とは、就職や進学で親元を離れた若者が、インターネットで親のためにサービスを予約したり、商品を購入したりして遠方から親孝行することをいう。

 これに多くのネットユーザーから反響があった。中国では、人口流動の激化により、多くの若者が就職や進学のために故郷を離れ、見知らぬ街や海外にまで行くようになっており、彼らは親との交流をもっぱらインターネットに頼っている。

 支付宝(アリペイ、Alipay)のデータによると、8日にリリースされた高齢者向けの共済型保険商品「相互宝」のユーザーの47.7%が両親のための利用だという。さらに、これまでに750万人以上のユーザーが淘宝(タオバオ、Taobao)のアカウントを母親とひもづけしたという。母の日までの1週間に、アリババグループの医薬品ネット通販「阿里健康」で高齢者向け健康診断サービスを購入したユーザーは、同サービス購入者の35%を占め、前年比14%増となった。

 このデータを別の視点からみると、「雲養媽」はすでに社会のニューノーマルで、遠方からネットショッピングで親へ贈り物をするのは、最も定番の親孝行の方法となっている。

 アリババのAIラボが開発したスマートスピーカー「天猫精霊(Tモール・ジーニー)」のデータによると、出荷したスピーカーのうち136万台の送り先とIPアドレスが違う都市の別の場所になっているという。同ラボ責任者は、「その多くが『雲養媽』目的で購入されたもので、われわれもユーザーが高齢の親に寄り添うためのサポートをしていきたい」と述べた。

 注目すべきは、母の日に「雲養媽」利用者が高齢の親の健康を気にしていたということだ。「阿里健康」のデータによると、今年の母の日に「雲養媽」利用者が贈った商品は、低周波治療器、補聴器、高級車いすが上位を占めた。

 社会学者は、「雲養媽」は新しい現象であるが、インターネットもまたこれまでと異なる方法で人と人との関係を再構築しているとみている。(c)Xinhua News/AFPBB News